(二)小脳の内景

 小脳は表層を占める灰白質すなわち小脳皮質と、内部の白質である髄体とからなる。髄体の中には脳室表面に近く小脳核という灰白質がある。

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1,Cortex cerebellaris(小脳皮質)Cerebellar cortex

 小脳皮質は分子層、神経細胞層、顆粒層の3層よりなる。分子層の深層にはプルキンエ「Purkinje」細胞と呼ぶ大型の錐体状神経細胞が並ぶ、その樹状突起は分子層にあり、軸索突起は小脳核に付く。

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2,Corpus medullare(髄体)Medullary body

 小脳と他の脳とを連絡する神経線維の集まりである。

3,Nuclei cerebellaris(小脳核)Nuclei of cerebellum

 髄質の深部にあり、歯状核、球形核、栓状核、室頂核の4核を区別する。そのうち、歯状核は最大で、その形がオリ-ブ核に似て表面が鋸歯状にでこぼこしているので、こう名づけられている。歯状核などの一部の細胞から発する神経突起は上小脳脚を通って赤核に行く。
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4,Pedunculi cerebellares(小脳脚)Cerebellar peduncles

 小脳下面には、小脳と他の脳とを連絡する左右3対の小脳脚がある。
 下小脳脚(索状体)は主に小脳に入る神経の束で、後脊髄小脳路、オリ-ブ小脳路、前庭小脳路などからなる。
 中小脳脚(橋腕)も主に小脳に入る神経束の束からなり、橋核からの橋小脳路からなる。
 上小脳脚(結合腕)は小脳を出る小脳赤核路および小脳視床路と、小脳に入る前脊髄小脳路からなる。

最終更新日:2010年12月20日