3,Cavitas cranii(頭蓋腔)Cranial cavity

 上蓋の内側面に前後に走る(上)矢状洞溝があり、両側に多くのクモ膜顆粒小窩がある。下壁は内頭蓋底といい、前中後の3窩に分かれている。

anatomy1b3-5.jpg (18342 バイト)
(1)Fossa cranii (cranialis) anterior(前頭蓋窩)Anterior cranial fossa

 3窩の内で最も浅い、大脳前頭葉の容れるところである。正中部は鼻腔の上壁に当たり、篩骨の篩板でできている。篩板に篩孔があり、これにより鼻腔と交通している。

(2)Fossa cranii (cranialis) media(中頭蓋窩)Middle cranial fossa

 正中部は蝶形骨の体で中頭蓋窩を左右の両部に分けている。蝶形骨体の上面は鞍状にくぼんでおり、ここをトルコ鞍といい、中央部に下垂体を入れる下垂体窩がある。トルコ鞍の上外方には視神経管があり、眼窩に通じている。蝶形骨の大翼と小翼との間には上眼窩裂があって、これも眼窩に通じている。大翼には正円孔・卵円孔・棘孔が一列に並んでおり、前者は翼口蓋窩に、後二者は側頭下窩に通じている。錐体の先端と蝶形骨体との間には破裂孔があって、ここに頸動脈管が開口している。 

(3)Fossa cranii (cranialis) posterior(後頭蓋窩)Posterior cranial fossa

 おもに側頭骨の鱗部と後頭骨から作られている。錐体後面の中央には内耳道があり、外方に走って内耳の内側壁に達する。後頭蓋窩の中央には大後頭孔があって、前方に斜台であり、大後頭孔の前外縁に舌下神経管の内口がある。後頭鱗の内面中央には内後頭隆起がある。(上)矢状洞溝はここに始まって頭蓋上壁の正中を前頭部まで走り、横洞溝はこれから左右に横走し、側頭骨乳突部の内面をS状(S状洞溝)に曲がって頸静脈孔に達している。
anatomy1b3-4.jpg (50318 バイト)

 

anatomy1b3-3.jpg (38596 バイト)

最終更新日:2010年12月20日