神経系は皮膚その他の諸器官で受けいれた外界の刺激、ならびに身体内部で起こった諸種の刺激を中枢に導き、これに反応して中枢で適切な興奮を惹き起こし、この興奮を命令として身体各部の筋および腺に伝えるものである。すなわち内に対しては体内諸器官の連絡、調和を計ってこれらを有機的に統合し、外に向かっては身体をして外界の状勢に適応した反応を営なませているのである。
身体は多数の器官から組み立てられているものであり、これらの器官は結局は細胞の集団にほかならぬのであるが、このように複雑な組成をもつ身体の各部各器官が一糸乱れぬ協調を保ち、全身一如の活動をなしうるのはひとえに神経系の統制力に帰すべきで、このような意味から神経系の機能は身体中で最高のものであると認めてよいのである。
最終更新日:2010年12月20日