三、Diencephalon(間脳)Diencephalon

 間脳は中脳と大脳半球との間にある脳部である。成体では背面は全く大脳半球に覆われているので、外からこれを観察することはできないが、腹面の一部は大脳脚の前に露出している。これにさらに広義の視床(背側視床、視床上部、腹側視床)と視床下部とを区別し、その中に第3脳室を囲んでいる。通常、視床という場合には背側視床(狭義の視床)をさし、視床上部や腹側視床などはこれに含めない。
 視床脳は視覚・聴覚をはじめ体の各部から集まる知覚伝導路が中継されるところで、これらの知覚に対する無意識的反射運動の中枢である。このほか視床脳は意識下の感情の発するところであると考えられる。視床下部はここに自律神経系の総合的中枢があるから、生活機能の運営に対してきわめて重要な地位をしめている。
 この部が破壊されると、体温調節・脂肪代謝などの障害をきたし、また胃粘膜の出血や血糖量の上昇を見る。

 

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最終更新日:2010年12月20日