5,Norma lateralis(側面観)Norma lateralis

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 中央部に側頭骨があり、その後方には後頭骨、上方には頭頂骨、前方には蝶形骨・頬骨・下顎骨などが接続している。
 側頭骨の外側面中央に外耳孔があって、内方に向い外耳道となって鼓室に通じている。外耳孔の後下側に乳様突起が突出し、前上側には頬骨突起が出ている。後者の前端は水平に前に延びて頬骨に連なり、橋状に頬骨弓を作る。頬骨突起の基部の下面には下顎窩があって顎関節の関節窩をなし、その前縁は関節結節によって境されている。
 頬骨弓の上方にある浅い広い陥凹部を側頭窩、下内方にある深い陥凹部を側頭下窩といい、両窩は頬骨弓の内側を通じてたがいに交通している。側頭窩の底の前下部は割合薄くてもっとも薄い場所は前頭骨、頭頂骨、側頭骨、蝶形骨の会合する所で、この内面には中硬膜動脈の前枝がここを通っているので臨床上重要である。
 側頭下窩は頬骨弓の下面にある陥凹部で、上方は蝶形骨の大翼、前方は上顎体、内側は翼状突起によって境され、外側は下顎枝で覆われている。大翼には卵円孔と棘孔があり、いずれも頭蓋腔と交通している。上顎体と翼状突起との間には狭い翼口蓋窩があり、またその上前方は大翼と上顎体との間にある下眼窩裂によって眼窩に通じている。
 翼口蓋窩は上顎骨と翼状突起との間にある狭い洞窟で、内側壁は口蓋骨の垂直板、前壁は上顎体、後壁は翼状突起によって作られている。内方は蝶口蓋孔によって鼻腔に通じ、前は下眼窩裂によって眼窩に通じ、下は延びて口蓋管となり、口蓋の後外側隅にある大・小口蓋孔に開く。まだ翼口蓋窩の後壁には大翼を貫く正円孔と翼状突起の基部を前後に貫く翼突管があり、前者は頭蓋腔に、後者は破裂孔に開いている。

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最終更新日:2010年12月20日