C,Oesophagus(食道)Oesophagus

 食道は咽頭と胃とを連絡する繊維筋肉性の管で、単に食物の通路をなすのみである。第6頸椎の高さで咽頭につづいて起こり、第11胸椎の高さで胃の噴門に移行する。その全長は約25cmである。食道を高さによってつぎの3部に分ける。
 頸部:胸骨柄上縁の高さより上方に位置する短い部分で、気管のすぐ後ろに位置し、脊柱の前をまっすぐに下る。
 胸部:頸部に続く長い部分で、脊柱胸部および胸大動脈の前を下行して横隔膜の食道裂孔を貫く。
 腹部:横隔膜の食道裂孔を出て、噴門に達するまでの部分で、3部の中で最も短い。
 食道には機能的に三つの狭い部がある。上狭窄部は食道の上端で第6頸椎の高さにあり、切歯からおよそ15cm,中狭窄部は気管分岐部の高さで第4-第5胸椎の高さにあり、切歯から25cm,下狭窄部は横隔膜の食道裂孔を通過する所で第11胸椎の高さにあり、切歯から約40cm距った部にある。これらの狭窄部位は異物の停滞しやすい所であるとともに癌の好発部位とされている。

最終更新日:2010年12月20日