H,Pancreas(膵臓)Pancreas

 膵臓は、肝臓とともに消化器系に付属する2大消化腺のひとつで、導管は総胆管と合し十二指腸に開口する。膵臓はかるくS状弯曲をしめして横走する細長い三角稜柱形を呈し、第1-第2腰椎の高さにあって、不透明な薄い結合組織に覆われ、この結合組織によって腹腔の後壁に直接に固定される。長さ約14-16cm、膵頭、膵体および膵尾の3部に区別される。
 膵頭:右端の膨大した部分であり、十二指腸が示す左方に開いたC状弯曲の中に嵌入して位置する。膵頭から後下方に向かって突出する鈎状の部分を鈎状突起という。
 膵体:膵頭につづいて脊柱の前を左方に向かって横走する部分である。
 膵尾:膵体につづいて最も左方に延びた細い部分で、その左端は鈍い尖端をなし、脾臓臓側面のほぼ中央部に達する。
 膵臓の導管は2本ある。主導管を膵管といい、これは膵臓の内部を右の方に向かって貫き、総胆管とともに大十二指腸乳頭に開口する。他を副膵管といい、これは小さくて、主として頭部の分泌物を集め、多くの場合膵管に合するが、またしばしば独立して大十二指腸乳頭の上方2-3cmの所にある小十二指腸乳頭に開く。
 膵臓は、外分泌部と内分泌部とからできている。外分泌部は消化に必要な膵液を分泌する。内分泌部は膵島あるいはランゲルハンス島といい、糖代謝と緊密な関係のあるホルモン(インシュリン)を生産する。

最終更新日:2010年12月20日