第三章 Apparatus respiratorius [Systema respiratorium](呼吸器[呼吸器系])Respiratory system

 呼吸器は呼吸作用すなわち空気中から酸素を取ってこれを血液に与え、血液中の炭酸ガスを空気中へ出す作用をいとなむ器官系である。呼吸器に取りこまれた酸素は赤血球によって各組織に運ばれ、ここでは腸から吸収され、やはり血管によって運ばれてきた栄養分を燃焼させる。燃焼によって生じたエネルギ-は組織あるいは器官がその機能を行なうために用いられ、分解産物のうちの炭酸ガスは再び肺から、含窒素成分は腎臓から排泄される。
 ヒトの呼吸器は呼吸道と呼吸部からできている。呼吸道は呼吸気を通過させ、上・下呼吸道に分けられる。上呼吸道は鼻、咽頭と喉頭を包括する。下呼吸道に数えられるものは気管、気管支および気管枝樹である。肺は呼吸器の主部をなしており、その中でガス交換が行われる。

最終更新日:2010年12月20日